2023.08.23 08:12Episode.8 心臓病のお子さん はるくんとれいちぇるさんのストーリー【はるくんに出逢うまで】はるくんの母親である私は、生まれつき心臓が悪く、幼少期に弁の手術を2回しました。手術の後も、運動制限などはありましたが、普通の暮らしをすることができていました。私は小さい頃から子供なりに、自分は子供を持つことは難しいんだなと半分諦めていました。しかし、結婚し子供が欲しい気持ちが強くなり、周りのサポート、そして、信頼する医療スタッフの皆さんが妊娠出産に向けて治療・管理してくださったおかげで、妊娠中も心不全に陥ることなく、息子を出産するとができ、感謝の気持で胸がいっぱいでした。【心雑音がする】息子を出産して2日目のことでした。医師から、「息子さんに心雑音がするので、今詳しい検査をしています。」と言われました。胸がドキドキし、嫌な予感...
2023.05.31 09:00Episode.7 生体肝臓移植経験者 Nさんのストーリー私の病気が原発性胆汁性胆管炎(PBC)だとわかるまで、約3年間消化器系の症状が様々出ていました。腹痛、嘔吐、背中の痛み等。胆嚢内の胆汁が砂の様な状態になっていたり、肝臓が腫れたり、脾臓が腫れたり…それまで通院していた中核病院から大学病院へ転院して、PBCと診断されました。その時に15年後はどうなっているか分からないと言われました。先生の仰った通り15年後に移植となりました。PBCと診断された後、入院し消化器系の様々な検査を受けました。PBC以外に病気が見つからなかったので、それ以後は、内服薬(ウルソ)で経過観察でした。約7~8年後に痒みが出始めました。それまでは大きな体調不良はなく、軽い倦怠感と年に数回動けなくなり伏すくらいでした。 診断から7年後結婚...
2023.04.28 09:39Episode.6 生体肝臓移植経験者 Mさんのストーリー私の病気は胆道閉鎖症です。病気発覚のきっかけは「新生児黄疸(※1)」かもと様子を見ていましたが黄疸が消失せず、便の色も白かったことが散見され、助産師さんが同じ病気の子を取り上げた経験から「もしかしたら…」と保育器のまま東北大学病院に転院し採血・胆道シンチ(※2)などの検査をしてわかり、病名が確定しました。生後3ヵ月までの間に「葛西手術(※3)」を行い、その後3歳まで入院術後腸閉塞による長期間の絶飲食食道静脈瘤を発症この時、泣き叫ぶ私を抱きながら母は一度だけ心中を考え、私を抱いたまま点滴を押して屋上に向かったところ隣のベットのおばあちゃんに「こんな大きい声で泣いてるんだから大丈夫よ」と言われ、はっと我に帰り思いとどまったそうです。進行はゆっくりでしたが、...
2023.04.17 09:09Episode.5 脳死心臓移植経験者 Mさんのストーリー1992年に心臓移植を受けなければ30年前に亡き人でした。1992年1月に拡張型心筋症を発病し大阪警察病院に入院しました。中学生の時は陸上部に所属し、高校生になっても走るのは好きで走っていました。高校3年生まで元気で病気らしい病気をしたことがなかったのになぜなのと思いました。安静指示を守っていれば治るものだと思っていました。安静は単に心臓に負担をかけていなかっただけでした。病気の進行が早く半年後には心臓移植を受けなければならないと説明を受けました。両親は早い時期に説明を受けていました。親心だとは解っていましたが、もっと早く教えて欲しかったなと思いました。死期が迫っていることに絶望し短い人生だったと諦めました。翌日、挿管が必要な状態になり、以降断片的な記...
2023.03.14 09:30Episode.4 移植待機者に想いを寄せられるCさんのストーリーまず、私自身や家族に臓器移植の経験が無いことをお伝えいたしておきます。それでも、日本の移植医療の推進を願うこの活動を応援したいと考えました。その、きっかけについて書かせていただきます。 私の息子は心臓病です。胎児エコーで判明して、心臓病であると知った上で出産しました。息子は、普通なら心臓に心房と心室が各2つずつあるところを、各1つずつしか持っていません。他にも肺静脈の還流異常※(かんりゅういじょう/血管の走行に不具合があること)や、肝臓が左右対称であったり、脾臓(ひぞう)がなかったり、胃が極端に小さいなど臓器の奇形をいくつも抱えています。疾患は先天的なものであり、体は奇型を維持したまま出来うる限り長く生きられるように治療や手術を行います。仮に、正常な形...
2023.03.09 10:20Episode.3 脳死肝臓移植経験者 Sさんのストーリー私が肝移植した経緯についてお話させて頂きます。まず最初の異変は、小学低学年のとある冬の日の夜中のことでした。深夜、急に目が覚め嘔吐してしまいました。季節的にもインフルエンザかと思い、翌日、母に近所の小児科へ連れて行かれました。そこで行った尿検査で、お医者さんはびっくりしました。「尿の色が真赤じゃないの!」更に肝機能の数値も、異常値でした。お医者さんは直ぐに大きな病院への紹介状を書いてくれました。母は私を連れて、大きな病院へ行きました。私は訳もわからず初めてのMRI検査を受けました。そして、その日はお家に帰ることができず、緊急入院になりました。急に両親と離れることになり、見ず知らずの場所で寝るのはとても不安だったことを覚えています。翌日からは、絶対安静が...
2023.03.07 08:50Episode.1 another story 生体間肝臓移植経験者 cosaさんのご家族のストーリーわたしはドナーそしてレシピエントの妹で、移植を受ける側と提供する側両方の身内です。そして、わたしは姉の生体移植ドナーになることができませんでした。姉はずいぶん前から難病を患っていました。姉にはまだ小さい子供がいて、仕事しながら家事育児を毎日必死にこなす中でどんどん病状が悪化していきました。同じ子供を抱える身として、聞いていて何とももどかしく、体の為に環境を変えたら?とかやり方を変えたら?と何度も提案をしました。そんな簡単なことではないのはわかっていましたが、環境がかなりのダメージを与えているのは誰が見てもわかる状況でした。でもきっと、そんな大変な中にも姉なりの考えや楽しみ、幸せがあるから変えなかったのだと思います。他者がどうこうできる事ではなかったので...
2023.02.13 09:00Episode.2 小児渡航心臓移植者家族 Sさんのストーリー娘は近所の総合病院で誕生しました。生まれてすぐ心雑音があるという事でNICUに入院となりました。その後、左室心筋緻密化障害が見つかりました。手術はできず投薬治療しかできないこと、いずれ心臓移植が必要になる確率が高いと主治医から説明を受けました。すぐに投薬治療を開始し、定期的に診察を受けていました。生後2ヶ月でRSウイルスに感染しましたが、奇跡的に心不全は悪化しませんでした。1日中頭に汗をかいていて、手足は冷たく、息が苦しいのかミルクも短時間で少量しか飲めず、飲んでも吐くという状態で心配でしたが、主治医に大丈夫だよと言われるのでそんなものかと気にしないようにしていました。このまま小康状態を保ったまま育ってくれると思っていたのですが、状況が変わったのが1歳...
2023.02.07 08:55Episode.1 生体間肝臓移植経験者 cosaさんのストーリー生理痛が重くて貧血気味、あとはひどい花粉症。それぐらいしか体調に問題のない「わりと健康」そんな体でした。私の持病が発覚したのは28才の時。好きな仕事に夢中で、かなりハードに頑張っていた頃でした。通勤片道40分、満員電車に揺られ、かなりの仕事量で帰宅が23時過ぎなんて事も。そんな日々の中、疲れやストレスからか胃が痛い。ということで、近所の消化器系のクリニックを受診したところ胃カメラと血液検査をすることに。「胃はとくに問題ないね」と先生。その後続けて「お酒すごい飲むんだね」と言われました。私はそんなに飲むことが無かったのでビックリしました。それを伝えると「血液検査の結果で肝機能の数値が悪かったから、すごい飲むのかと思ったよ」と。これで「おかしい」となり、大...