みなさんが「臓器提供意思表示制度の違いに思うこと」

世界で採用されている<臓器提供の意思表示方法>には2つの種類があることをご存じでしょうか。


OPT-IN オプトイン

臓器提供したい場合にその意思表示をする方式>

臓器移植を「Gift of Life」であると考える慈善型の制度です

→アメリカ、イギリス、ドイツ、韓国、日本で採用


OPT-OUT オプトアウト

臓器提供したくない場合にその意思表示をする方式

臓器を共有する「Organ Share」という考えに基づく制度です

→フランスやスペインなどヨーロッパにおいて主に採用

日本の移植医療を取り巻く問題で臓器提供の意思表示をしている人の割合が10.2%(2021年内閣府 世論調査)と低い為に<本人の提供の意思がわからずご家族が悩むケース>や<提供の意思があっても活かされていないことで、移植が必要な方を移植によって救えない>また、<火葬後に提供の意思があったことがわかり、ご遺族が決断を後悔する>などの問題があり、臓器提供意思表示をする人を増やすために意思表示方法に関する議論がたびたびされています。


そこで<日本の臓器提供意思表示方式について、みなさんが思われていること>を聞いてみました。


ご意見の一部をご紹介します。


オプトイン派のご意見

・「Gift of Life」「誰かのために私ができること」の考え方が浸透し、提供してもいいという人たちの善意で助け合える社会になることがわたしの理想です。でも、現実では移植医療はどこか遠い世界の話で。意思表示どころかどうしたいかを考えることもしていない人が大多数だと思われることがとても残念です。自分の体、自分の人生のことなので、どうしたいかを考えることはとても大切だと思います。みんながもっと自分のこととして考えるように国にも頑張って対策をしてほしいです。


オプトアウト派のご意見

・意思表示がなければ提供になるオプトアウトの方がいやなら嫌でそこまで悩まなくていいかも

・日本では意思表示への意識が低く、オプトアウトの方が提供したくなかったら必ず意思表示するのでいいと思う

・マスクをつける、外す。マイナンバーカードもそうだが、日本人はこのように政府が決めてくれなければ、意思表示件数は なかなか伸びないと思う。反対に政府が決めると、素直に従う国民。オプトアウトにすれば、NOの人は必ず意思表示をしてくれるはず。


その他

・オプトアウト方式が望みですが、まず現行の「臓器提供する場合に脳死を死とする」から「脳死を死とする」の法改正をすることが必要になってくると思います。また色々な分野で「国の決めることに信頼が出来ないから反対」と言う方々を説得していかなければならない困難を乗り越えていかなければなりません。まず、臓器提供意思表示の浸透が必要だと思います。

・完全に脳死が人の死と定義されていない日本で、いきなりオプトアウトとすることは、現実的ではないと思うし、多大な反対、批判になると思う。まずは脳死判定を行える拠点を増やすこと、臓器提供の意思表示を漏れなく汲み取れる医療体制、各病院が移植医療に前向きになれる制度などを整備する必要があると感じています。そして、移植医療が世間に認知され普及してきた先に、オプトアウトへ移行の是非を検討できる段階になるのではないでしょうか。

・どちらも正しいですし、強制的ではないけれど難しいですね。 日本の民族性や文化とか思想とか様々あって普及が進まないのかなと考えちゃいます。 「私はもしもの時に提供できる、しても良い」と意思表示を家族にしていますが gift ofl ife⇽家族のことだと例え意思表示があってもこの思いにたどり着かないまま、決断できない方もいるだろうなと思います。


このように「日本の臓器提供意思表示制度の違い」にも色々な考え方があることがわかります。


日本より遅く2000年に「脳死を人の死とする」改正臓器移植法が成立した韓国では、脳死間近の患者のご家族に主治医以外の医療スタッフが臓器提供について説明することが義務付けられ臓器斡旋(あっせん)の透明性が確保されました。また、国民への理解を広げるために、大韓移植学会をはじめとする専門家集団や、宗教界、NPO(非営利法人)などによる広報活動が積極的にされることで同じオプトイン制度でも人口比で100万人当たり10人のドナーがいる状況まで移植医療が普及されています。(日本は人口比で100万人当たり0・7人)

 

日本の意思表示制度が今後変更されるのかどうかは今のところはわかりませんが、何よりもまずは<国内で移植についてもっと身近に知って考えられる環境づくり>と<提供の意思表示があった時にその意思をしっかりと活かせる体制の強化・システムの整理>が必要ですね。


「臓器提供意思表示の方式について」引き続きご意見募集中です!!

↓↓↓

#臓器移植について話そうの会

私たちは日本の移植医療の現状をたくさんの方に知ってほしいと移植当事者や関係者でインターネット、SNSを中心に活動しています。