臓器移植と臓器、病気

臓器移植の対象となるのは【臓器を移植することでしか有効な治療法がないとき】に対象となります。この臓器移植が必要になる病気と臓器についてまとめたいと思います。


◆移植の対象となる臓器

臓器移植法等により定められた移植の対象となる臓器は

心臓、肺、肝臓、腎臓、膵臓、小腸、(眼球)

となります。


◆臓器移植の対象となる病気

心臓・・・補助人工心臓を装着している人(拡張型心筋症など)

肺・・・酸素療法などを受けていても機能維持が困難な人(肺高血圧症など)

膵臓・・・インスリン注射などを使用した専門医による血糖コントロールが困難になった人(1型糖尿病など)

小腸・・・口から食事を取れず、かつ栄養を補給する中心静脈栄養の維持が難しくなったとき(短腸症候群など)

肝臓・・・肝機能不全など(原発性硬化性胆管炎など)

腎臓・・・人工透析をしている、あるいは導入の予定の人(慢性腎不全など)


◆移植の種類と移植できる臓器

脳死になった方から頂いた臓器を移植することを脳死下臓器移植といいます。

他に心臓停止後の方からの臓器提供で移植をすることも可能ですが、現実には腎臓のみの提供になります。海外では、提供臓器不足の解消のために肝臓なども心臓停止後の提供による移植が行われはじめていますが、臓器保護のための処置が必要なため、現時点で日本では行われていません。また、健康な家族からの提供臓器を移植する生体移植があります。


移植できる臓器は、移植の種類によって異なります。

【脳死後】・・・心臓・肺・肝臓・腎臓・膵臓・小腸・眼球

【心停止後】腎臓・膵臓・眼球

【生体】肺、肝臓、腎臓、膵臓、小腸などは部分移植が可能(腎臓は2つあるうち1つ)

生体でドナーが臓器提供をした場合、肝臓は残された部分から再生しますが、採取部分が大きすぎた場合には肝不全になる危険性があります。小腸は残存腸管が機能を補うようになりますが、小腸も肝臓と同様に採取部分が大きすぎた場合には腸管不全になるため、切除部分を一定以下に留める必要があります。また、肺、腎臓、膵臓は摘出した分だけ生体ドナーの臓器機能は低下しますので、生体ドナーからの臓器提供にはドナーの体に医学的な問題が起こるリスクがありえます。そのため、提供後も受診してフォローアップをしてもらうことが必要です。


このように生体ドナーからの臓器提供は健康な人間に手術を行うという倫理的問題がある為、海外では脳死下臓器提供を推進する方策がとられています。しかし、日本では亡くなった方からの臓器提供が少ない為、海外に比べて生体臓器移植の割合が非常に高くなっています。


※Point /他にも生体移植の場合、医学面などの様々な条件をクリアする必要があります。また、リスクはドナーの身体的な問題だけに限らず、移植手術後のドナーとレシピエントや家族の人間関係にも影響がでるなどのリスクもあります。


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